Mathilda's monologue

Kitchen Moviegoreの独り言

人間は赤ちゃんに戻るために成長する

 

4歳の三男の頭のなかが、こちら。

「お腹すいたー」

「スパイダーマンが観たい」

「ママ大好き」

 

つづいて、8歳次男の頭のなかが、こちら。

「ゲームやりたい」

「宿題やだな」

「ママ大好き」

 

さいごに、10歳長男の頭のなかが、こちら。

「サッカーが上手くなりたい」

「携帯ほしい」

「ママ大好き」

 

生まれて10年しか経ってない男たちの頭のなかは、せいぜいこんなもの。

それがこれからどのように成長するのかは、身も心も削って生み育てたわたしのダイナマイト級の楽しみでもあり、メガトン級の心配事でもある。

 

「自分とは何者なのか」

 

ということを考えはじめるのが思春期、青年期。

大学行って、それなりの仕事に就いて、結婚して、子どもを育てるなんていうレールに敷かれた道は歩きたくない!なんて、生意気なことを言えるような時代ではなくなっている。

できることなら敷かれたい。なんなら女の尻にも敷かれたいくらいだろう。

 

女も男と同じように、進路を考える頃には自分の将来を思い描く。

でも女は、将来をいくら予想したってほとんど明るくない。

 

・仕事で地位や権力を手にして、金銭的にも自立した有意義な独身

・学生からの付き合いの長い男と結婚して、子どもを産み育て、せっせと主婦力を磨きパートで家計を助けるパート主婦

・結婚もいちをしたし、子どもも一人は産んでみた、毎日子どもに「早くして!」と怒鳴りながら、自分のキャリアも諦めきれない兼業主婦

・とりあえず専業主婦でいられるくらい稼いでくれる男は捕まえたけど家にはほとんどいない、息子しか相手にしてくれないなんだか満たされない専業主婦。

 

と、わたしの周りには欲求不満がごろんごろんそこら辺に転がっている。

 

わたし自身も、全部経験して、その度にわたしとはなんぞや?ということを繰り返し自問自答してきた。

 

大抵の女たちは「置かれた場所で咲きなさい」というあの言葉を、考えるのを放棄した形で実践している。

 

稀に「このまままでいいのかな?」と考える女もいるけれど、一歩踏む出して生活を変えることよりも、現状維持を優先させる人が圧倒的に多い。

 

結局は何かひとつを我慢してでも続けることが美徳とする日本だし、ちょっと人と違う人生を選択すると簡単に「変わったひと」のレッテルが貼られる。

それは特に、子どもをもつ母親ならなおのこと。

 

守るべきものがある女は、立ち止まってもいけないし、人生を攻めることもできない。

でも、その大昔から受け継がれている母親像の仮面をかぶった女たちが一番自分を見失っていたりする。

母性愛とか良妻賢母とか、兼業主婦とか専業主婦とか、それは仮面を被ってるだけでその仮面を無理矢理にでもはぎたくて仕方ない女はたくさんいて、稀に道徳的にいけない形で発散されてたりする。

 

先日参加したライターのセミナーでは、「自分の強みを見つける」ことが重要だということで、ストレングスファインダーテストをやってきた。

一人一人の才能を特定することを目的としていて、質問に答えて、34項目の資質のうち自分の優先資質を見つけることで自分をしることができるというテストだ。

 

驚いたことに、参加したメンバーがおそらく30〜60歳。

 

みんなまだアイデンティティーを模索してる最中なんだなって、見かけは十分におじさんとおばさんなのに、気持ちは10代なの?的な人たちの集まりに思えて、変な気持ちになった。でっかい子どもきゃっきゃしながらテストを受けていた。

 

だって、アイデンティティーを確率しようとしてる本物のぴよぴよたちは、まさかこの先ずっと自分が自分探しをするなんて思ってないでしょう。

自分のお父さん、お母さんが、自分とは?なんて考えてるなんて想像もしてないでしょう。

 

でもね、そうでもない人たちがここに集まってる。

人生に迷える子羊ちゃん。ならぬ、おば羊ちゃんとおじ羊ちゃん。

 

日本ではこの2年でテストを受ける人が倍増しているらしく、自分探しは今やブームなのか、自分を見失う時代なのか、とにかく穏やかじゃない。

ちなみに、そのテストの質問文は英語が直訳されているから翻訳が下手なやつ。何を質問しているのかさっぱりわからない。

さっぱりわからないから自分でその質問を噛み砕いているうちに、次の質問に移ってしまうから難易度が高い。
 

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迷えるおば羊おじ羊

 

わたしの資質のTOP5

内省:考えることが好き。一人が好き。

最上思考:ベストであることが常。普通はいや。

調和性:人と同意点を見つける。争いを避ける。

原点思考:現在を理解するために、過去を振り返る。

親密性:好きな人とはより親密になりたがる。

 

説明し始めると、止まらないんだけどこのような結果が出た。

この5つの資質が同じになる確率は、日本に自分のほかに2人。

日本には同じ顔の人が3人いるのと同じ確率だ。

 

そんなわけで、そのセミナーでは「やっぱりね。こうゆうヤツだよわたしって」と再認識したわけなんだけど、この結果をどうわたしの未来に繋げればいいのかは原点思考のわたしにはわかるはずもなく、さらに最上志向のわたしはセミナーに満足するわけでもなく帰ってきた。

 

ただ、とても面白いことがわかったので書いておく。

 

あなたは、人間は成長によって変わると思いますか?

 

その答えは、No。

 

人は成長につれて本来の姿に近く、が正解!だそう。

ここについてはまたゆっくり考察していきたいと思う。

 

兎にも角にも、レールがあってろくに選択肢もない時代からすると考えられないような状況になっているわけで、ある意味結婚相手が決まっていて職業が決まっていた女たちからしたら、自分探しで悩むことも贅沢なことなのかもしれないと思えてくる。

 

でも、女に関しては選択肢が増えたことで自分で選択する責任が付きまとうわりに、選択するための情報が少ない。

 

主婦業と子育ては絶対に手は抜けない状況で、今度は自分自身のために生き方を選択しなさいって言われても、結局は選択肢が少なかったり、自分の理想とはかけ離れた選択をするしかなかったいたりする。

そうゆうのが、いや。

 

昔の女たちは、女を自立させるためにひたすら女を捨ててきた。

男に混ざって、男に負けないように、男に認めさせるために。

でも、今はそんなに単純なことでもなくなってきている。

 

さらに、時代が変わって子育て事情や主婦事情が変わってきていてまったく先代の女たちがモデルにならない。

むしろ先代の女たちは、

「自分の時代はこうだった」「あなたは恵まれていていいわね」と、まさかの裏切りを披露する場合がある。

 

これで国は産めよ、育てよ、でありますからお話になりません。

保育園が増えて、無償化になって、それは間違いなく国の功績ではあるんだけれど、あの時「日本死んじまえ!」と叫んだ母は今ごろ保育園に入れるよって言われても、ほえ?なんのこと?ってなるだろう。

苦しんだ女たちがいたから、国が動いたのは事実ではあるけれど。

 

今もアイデンティティーを確立するために悩んでいる女たちは、自分探しの旅をしていることを忘れないでほしい。

 

自分の赤ちゃんを抱きながら、本来の自分の姿を思い出してほしい。